◆チーク材
高級家具としてインドネシアから世界中に輸出されている木材の中で一番多いのがチーク材、そして二番目はマホガニー材です。
チーク樹の原産地は南アジアのインド周辺の熱帯地でした。材の特徴は丈夫,抗虫性・耐久性が高く,仕上がりが美しいことで、古来、船材、キャビネット材として使用され、インドの重要な貿易品でした。
ヨーロッパ諸国が世界の海に進出した時代、帆船の造船材の良材として無くてはならぬものとなり、列強諸国はこのチーク樹を世界中に移植して産地作りに奔走しました。 その結果、当時オランダの植民地であったインドネシアが適地とされたのです。
乾季雨季が明確で、最高の品質のものを産したのが中部ジャワ、次いで東部ジャワ、並品が西部ジャワでした。
品質の良いものの特徴は、材が緻密、色が暗褐色、筋が通っている、目(節)が無いことです。暗褐色は油脂とタンニンを含んでいるゆえです。 西部ジャワは雨が多いため材が緻密さに欠け、色が白く、含油率、タンニンが低いという事で並品と扱われました。
樹勢は乾季が近づくと葉は落葉して成長が休みとなります。
熱帯樹でありながら幹の肥大は一年に1cm。昔から60年で直径60cmが「切りどき」とされいますが、需要の急増した昨今、直径30cmでも切られてしまいます。
伐採の一年前に根本の樹皮がはがされ、立枯れさせられ、水分含有率を下げて市場に供給されます。
この長寿の樹は数百年の寿命を保つとの事です。
長寿の樹は薬効豊かと考え、その効果は古来より多くの人々の生活に生かされてきました。 例えば、大きな葉は包装材(肉・魚)として使用され、竹の皮と同様の防腐効果があり、乾くとすぐに土に戻るエコロジー包装材。 樹皮は天然染料として糸布染めに利用され、種油は育毛剤や若白髪の染めに使われるなど、生活に密着したものでした。
経済不況下の現地は、国有林の盗伐が数百人の盗伐団により組織的に行われており、産地が一年間で丸坊主になることもあります。 森林警察は自動小銃で武装していても、相手が数百人ではかないません。 盗伐品は計画伐採とは異なり、金銭目的で為適期水分管理もないため、品質が異なり、通常よりも安値でブラックマーケットに出回っています。
世界№1のチークを求めて世界中からインドネシアへ注文が入るため、品質にもよりますが、年間15~30%ほど材価が高騰しています。
そのため、昔伐採した産地の地中に残る根が掘り起こされ、根の姿を生かした家具、株の緻密な材の模様を生かした板としても供用されています。
需要に対応すべく生育の遅さをカバーする為、ホルモン剤による肥大化や品種改良から生まれたスーパーチークがあります。 これは、15年で一立方メートル以上の材が取れると言われ、栽培が盛んに行われるようになってきました。 一年間の生育状況は、管理次第ではありますが苗の草丈30~40cm、茎の直径1.0~1.5cmのものが樹高5m、 株元の直径4.0~6.0cmと直径で4倍、樹高では6倍と、生育は非常に早いのが特徴です。
従来のチークの品質の特徴である、材の緻密さ、抗虫性・耐久性の大きさ、仕上がりの美しさが、 このように生育が早いと名のみのチークで果たして従来通りの品質かどうかは疑問です。
世界中に輸出され、世界中の人々に深く愛されてきたチーク材は、100~200年間も使用が可能です。 より特徴のある風合いを求める方はトーチの火で表面を炙ってみてください。材の中から油が表面に浮き上がり、色調を強め、またひとつ味わい深くなります。
アウトドアで風雨、太陽にさらされると、表面は汚れますが、汚れを落としさえすれば時代を経た美しさが増します。 それゆえ、アウトドアのみならずインドアの家具としても昔から愛用されてきました。
問題点として、気密性の高い室内でエアコンをかけたとき、急激な室温変化で割れ及び反りが生じることが日本で報告されております。 またスイスでも冬場にストーブの炊きすぎで、同様な現象が生じたとの報告があります。
消費者の皆様が特徴を知ることで、使い込む楽しさ、独自の工夫とアイデアで更なる発見を作り上げていただければ、関係者の喜びとするところです。
また、当サイトではチーク材以外の商品も取り扱っておりますが、すべて自然の恵みの一部して、使い込む楽しさをより深く味わっていただければと考えております。
◆チーク材のグレード
チーク材にはグレードがあります。
通常5~6段階に分かれており、一番良いグレードをA、追ってアルファベット順に並びます。
当サイトの商品は、AまたはBグレードを使うことにより、無塗装でも屋外で使用できるガーデン家具を扱っております。 その耐久性は数十年と言われますが、しかしながら風雨、太陽にさらされることで表面上が白く変色し、長年使用することで割れやヒビが発生します。 それもまた時代を経た美しさと受け入れられて、世界中で愛されているのがチーク家具です。
チークの柔らかい肌触りは、他の材では味わえません。 消費者の皆様がチーク材の特徴を知っていただく事で、長く愛していただければと願っております。
◆イエローバロー材
「イエローバロー材」とはチーク材の一種で、違いとしてはまず見た目の色合いが黄色みをおびている点です。
通常のチーク材よりも緻密性が高いため、重さがあります。
また、細かなヒビが入りやすいという弱点があります。
耐久性は若干チーク材よりも劣りますが、油分が多く、無塗装でも長くご使用いただけます。