喪失・悲観ケア
■喪失とは... 大切な人、ペット、若さや健康、やりがいのある仕事、気の合う仲間と密接に関わる環境など、あなたにとってかけがえないものを失うことを「喪失」と呼んでいます。
■悲嘆とは... 喪失による悲しみ、不安、怒り、後悔、無気力 などの感情が高まって、時には身体的影響にまで発展してしまうことがあります。
「喪失」には、5つのプロセスがあると言われています。 そのプロセスを経験する順番は人それぞれで、全てのプロセスを経験するとも限りません。 喪失の感じ方は、その人の性格、失った人や物に対する思い入れ、その人が置かれている環境などによって全く違ってしまいます。 その喪失による悲嘆の個人差を、家族や友人などに理解してもらえないと思い、更に孤独を深めてしまうこともあります。 お一人で我慢したり、心を閉ざすのでなく、カウンセリングを受けてみませんか?
1 否認・孤立 強いショック。信じたくない。ウソだ。。。そんなバカな。。。 といった否定的な感情が先行し、事実を受け入れることが出来ない状態です。 ・あの人、あの子がそんな目にあうなんて、そんなバカな。。。 ・私の命があとわずかだなんて、何かの間違いに決まっている。 強いショックから、心を守る防衛的な反応で、ゆっくりと事実を受け入れていくことが必要です。 2 怒り 原因や状況を理解して行くにつれて、なんで?どうして?という疑問と共に怒りの感情が発生していきます。 ・なんで私(あるいは私の大切な人)が、こんなことになったの? ・もっと早くなんとか出来なかったの? 悲しみが怒りを呼ぶ。誰のせいなのか?他人や自分に怒りを向ける。 あまりの理不尽さを怒りの感情で吐き出す。 自分や他人が更に傷つかないよう、できるだけ安全な方法で怒りの感情を吐き出すようにしてくださいね。 3 取引 あの時こうすれば、良かった。。。 もっとこうしておけば。。。 といった何か後悔することを探します。 そして、それを今すぐ改善するから今回のことはなかったことにして欲しいと考えます。 ・もっと良い子にしていたら、私(あるいは私の大切な人)がきっと元気になる。 ・他の医療機関、他の神様、他のお守り があればきっと助かる。 後悔することが全くない人はいません。 どんな取引を考えてみても、事実が変わらないということにゆっくりと気がついて事実をうけいれていくことになります。 4 抑うつ 深い悲しみ、淋しさ、不安などの感情のため、今までの生活を継続して行くのが苦痛になり、引きこもったり無気力になったりします。 ・誰にも会いたくない。放っておいて欲しい。 ・悲しくて、悲しくて。。。 淋しくて、淋しくて。。。 たくさん涙をながして感情を浄化することも必要なプロセスです。 家族や周囲の人に遠慮したりせず、寄り添ってもらえる人に自分の感情を吐き出して泣いてみて下さい。 5 受容 死を受け入れることが出来るようになった状態です。 受容しても泣きたい日はあるし、辛い日はあります。 ・あの人の意志を引き継いでいこう。 ・いつか天国で再会したときに笑顔で会えるように、今は頑張って前に進んでいこう。 ・自分の命が残っている間に、これをしておこう。 ・残される子供達のために、こんな物を用意しておこう。 わずかな希望を見つけて、生きる糧にすることが出来るようになります。 喪失による悲嘆を経験したときは、この絶望的な状態がずっと続くと感じていると思います。 あなたにとって、受け入れがたい出来事なのでお辛いですよね。 でもいつの日か、喪失を抱えていても希望や笑顔が戻ってくることを知っていてください。 あなたがこの苦しみから抜け出すことができますように。