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HOME木の話(目次)>7.日本の気候に合う家とは?
7.日本の気候に合う家とは?
 もう一つ「良い家」の条件に、風通しの良い家、風の通り抜ける家があると思う。
 そこでまず初めに、最近よく聞く「結露」について考えてみたい。結露は室内と室外の室温差により、空気中の水分が窓などに水滴となって出来る。窓だけでなくマンションなどの壁面にも出来る。この結露の湿気は、カビなどが出来る原因の一つとも言われている。
 今の住宅やマンションなどは気密性が高くなっている分、室内の空気の流れが悪くなっているのではないか。それにプラスしてアルミ材、鉄骨材、コンクリート材、塩ビ、プリントなど、水分を吸ってくれる材が無いので少量の水分でもカビが出来てしまう。たまたま先日テレビで、ある面積(単位はちょっと忘れてしまったが)にいるダニの数を世界各国と比べていたのを見てぶったまげてしまった。例えばアメリカ・カナダ・ヨーロッパが8〜10匹という数に比べ、日本は1,000匹以上という、とてつもない差があった。日本の風土の湿度の高さに加え、最近の建築物の建て方にも原因があるそうだ。そのダニの死骸が空気中に舞い上がり、喘息や花粉症のアレルギーを引き起こしているらしい。

 そんな事からも、昔の日本の住宅はとても日本の風土に合った家だったように感じる。使い勝手は良くないが、湿気をよぶ水まわりを外や離れた所に持っていき、そして風通しが良いというより隙間だらけ、木材も塗装せずふんだんに使っていた。
 それに加え、現代風に言う”すぐれものグッズ”がある。まず、寒い冬場に暖めてくれる「いろり」や「こたつ」。寒い家の中で足もとを集中的に暖める「こたつ」、これほど暖房効率のよいものは他にあるだろうか。そして「いろり」は暖房・調理に加えその煙で燻して防虫、また柱や床などはまるで塗装をしたようなつやも出せる。一石三鳥、いや四鳥である。夏場に”涼”を感じさせてくれる「風鈴」などもすぐれものの一つだ。昔の日本人はお金での裕福は無かったが、心の豊かさや知恵があった。

 ただお金を出して建てれば良いのではなく、建て方、作り方、使い方が重要なのだ。そして、他人の目で「良い」「悪い」を決めるのではなく、自分が気に入ればそれが一番いいのである。別に型にはまった物ばかりを使う必要はない。
 僕らの思う「良い家」は、例えそれが木目の揃っていないものでも、節など欠点が入っていても、耐久性に問題がなければかまわない。木材をふんだんに使い、そして、風の通り抜ける家、そのような家は最高だと思う。
お金なんかかかっていなくても、少しづつでもそのような家の良さを理解してくれる施主の人々が増えていく事を期待している。
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