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11.木材の樹種の選別方法 |
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立ち木(株)、原木の樹種を判断するには、まず全体的な大きさや枝ぶり、葉の形・色、樹皮などから判断をする。また花が咲いたり実がなったりする種類であれば、それらは大きな判断材料となる。また、その木が生えている場所や地域、あるいは紅葉などによる季節の変化も大きな目安となるだろう。最近では山歩きや森林浴用に、樹種を判断する為の木や葉、実、花などの写真や絵を掲載した図鑑なども多く出回っていきている。素人でもある程度の判断は可能になり、それらを気軽に楽しむ事ができるようになってきた。
しかし、その木が伐採され、製材された状態であったらどうだろう?あるいは内装などでフロアーや壁に使われている場合、家具などの商品になっている場合はどうだろう?
そこで今回は、木材(製材して板状にしたもの)やツキ板を、プロが如何に判断するか、その方法を少し説明してみようと思う。
木材やツキ板の場合、同じ樹種であっても1本1本すべて違う木目や色をしている。またややこしい事に、ある木材に似ている別の樹種の木材をその木材の代替品として使うことがあったり、別々の種類のものを別々の種類として扱っているにもかかわらず、どうやってどこから見ても全く見分けがつかないというものもある。本当にそっくりなものが3種類ぐらい並んでいてるのだが、それら3種類は別々の名前を持つ、別々の種類の材である、という本当に頭を悩ませる種類もあるのだ。
樹種を判別する方法は、ほとんどの場合目で見て、その木目・色等で判断をする。それだけでは判らない場合は、手で肌触りをたしかめ、香りを嗅いでみる。例えばヒノキとヒバの場合、見た目では分からなくても香りを嗅いでみればすぐに判る。ヒバの方がヒノキよりやわらかい香りがする。
それでも判らない場合は、「なめてみる」。といっても食べ物の味見をするように舌で木の味を確認するわけではない。本来は水で少し濡らしてみて、木目を浮き出させて判断をするのだが、中には水をわざわざ持ってくるかわりに、自分の舌でなめて木目を浮き出させるという人もいる。まさに”五感”をフルに使って判断をする。
と、ここまでは生(キジ)、つまり無塗装の場合の話だが、着色し、塗装をしたものを判別するのはプロでもとても難しい。着色したものの判別には経験と勘、応用力が必要で、それらを駆使して樹種を見極めている(が、それでもぜんぜん判らない時がある)。
現在自分はこの業界に入って10年になるが、木材やツキ板の樹種においては、体外一度見れば覚える事ができる。子供の頃から木材に接してきた事もあってほとんど苦労なく身についてしまった勘である。また、僕らの先輩でも「達人」に近くなると、一度見た木材・ツキ板は、樹種としてではなく、1本1本の種類として覚える事が出来る。つまり、ケヤキの板目材を一度検品して見たとすると、後日、半年後や1年後にまた出会った時に、「これはいつ何処で見た材だ」というように覚えているのだ。
以前我社に建築デザイナーの方が見学にみえた事がある。その時、彼らが樹種を覚えるのに、学生時代の英単語を覚える時に使っていた単語帳に、樹種の名前と切れ端をつけて覚えようとしていた。彼曰く「なかなか覚えられなくて。少しでもサンプルと違うと判らないんですよ。」と言っていた。そういえば、自分も学生時代、同じやり方で英単語を覚えようとしてもなかなか頭に入らなかった覚えがある。
一部分だけを覚えて、全体を理解する事は難しい。やはり実体験で、現物を実際の大きさで何枚も何種類も見て触れた方が記憶に残り、応用力も自然とついてくる。木材の樹種を覚えるには、まず、実際に見て触れて、香りを嗅いで、たまには味わって?みて、体験してみる事をおすすめしたい。
※注:まれに人によってはかぶれる木材(マコレ、シルキーオーク等)もあります。注意してください。
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